【聴いてほしい音楽:第7回】YOSHII LOVINSON(吉井和哉) 沈んだからこそ生まれた音楽

前回はCIVILIANについてお話しました。

 

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今回は有名なバンドのボーカリストのソロでの音楽のお話です。

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吉井和哉さんです。

正確には「YOSHII LOVINSON」名義時代の音楽です。

 

吉井さんは【THE YELLOW MONKEY】としてデビュー。ソロとしての活動も沢山の方が知っている音楽かと思います。

 

今回はあえて「YOSHII LOVINSON」時代の音楽なのですが自分は今だに大好きでよく聴いています。

 

この時期の音源はアルバム「at the BLACK HOLE」と「WHITE ROOM」のみ。

 

このアルバム2枚が、自分にとってはお気に入りのアルバムです。

 

もちろん中学生くらいから聴き続けている【THE YELLOW MONKEY】はどのアルバムも大好きですし、【吉井和哉】名義になってからも好きなのでバンドソロともに全アルバムは聴いてます。

 

その中でもこの2枚を選ぶのは人間の本質が出ているアルバムだからです。

 

自伝や色々インタビューなど読んでいて感じたのは、吉井さんは優柔不断であると感じるところ。優柔不断故に繊細であること。

 

バンドをクビにしてくれなんて発言もするぐらい周りを困らすなんて…思いますが自分がその立場に置かれれば何を思うのかはわからない所。

多分、色々考え過ぎちゃったんだろうなと感じられた時期だと思われます。

 

活動休止(のちに解散)前のアルバム「8」も今までの【THE YELLOW MONKEY】の音楽ではないのですが俺は大好きです。

 

苦しみの中で出た音だからか、より刺さるものがあり『人間』を考えてしまう自分には共感だったり圧倒されたり…。

 

当時、満を持して発売されたシングルは「TALI」

歌詞に「あっちの人も失敗だ こっちの人も失敗だ 失敗運ぶバケツリレー」

こんな歌詞を見て聴いた時、本当に共感もしてこんな歌詞を書いて歌える吉井さんは凄いと思ったし…

やはり自分も『人間』というものを考えてしまうのでこの詞を本当に理解する人もどれだけいるのだろうと感じてしまいます。

 

ほぼ自分(しかも自宅)で完成させたアルバム「at the BLACK HOLE」

そのアルバムは漆黒のような心を唄ったようなアルバム。

 「ファックスを送信します」というFAXの音声を自分で加工した音をいれた「20 GO」から始まり、一見ポップに歌う曲でさえ歌詞を聴くとそれは血、人間、葛藤やら…

胸に穴が空いたどころか、穴に落ちて何処までも沈んでいくようなアルバム。

ポップな雰囲気でこの歌詞の鋭さは人間の裏側を見ているような感覚。

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そしてアルバム「WHITE ROOM」

「at the BLACK HOLE」発表時より覚悟みたいなものが見えてきますがそれでも抜け出せたわけではなく、それでも藻掻いている感じであることが前作より進展したようなアルバム。

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前作と比べ、今回の演奏は他人に演奏して頂いている分、一般的に完成度は高く聴こえるのでしょうか。菊地英昭さん(THE YELLOW MONKEYギター)も参加されてます。1曲目の「PHOENIX」から前作とは違う雰囲気でスタート。

しかし歌詞を聴けば「生きる」悩みばかり。

 

一般的にも知名度が高い「CALL ME」

その中で

「何年過ぎても同じさ 人が人の上を目指し

 何年先でも同じさ 「I LOVE YOU」「I LOVE YOU」が灰になる」

 

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正直、シングルを買って聴いた時に泣きそうになりました。

いずれ灰になる…。

「生」を感じ「死」を見据えた時に 感じ方は人それぞれだと思いますが自分はこの虚無感は感じながら生きてます。

 

よく人間死ぬときは一人なんて言葉だったりありますが、それでも生きている間、自分中心に生きていいわけでもなくて。自分の為に精一杯生きる事と自分中心に生きる事は背中合わせで、でも周りに合わせなければ協調性のない人間となる。その差は紙一重

せめて自分が心掛けていることは『自分がやられて不快なことは絶対に他人にしない』

色々不信な時にはアルバムの最後の曲「WHAT TIME」を聴いたりもします。

 

この時期の吉井さんは人間の本質と向き合っていた感じもするのでとくに大好きな音楽なのかなと思います。ただ作る本人からすれば辛い時期なのでこのような歌が生まれないほうが本当は良いのかもしれませんが…

 

ちなみに「BLOWN UP CHILDREN」「HATE」などシングルのカップリングも凄い音楽です。正直シングルやリード曲であっても良いと感じる音楽です。

 

とくに「at the BLACK HOLE」の一音一音の重みも好きなところ。演奏的にも負のオーラが出ています。

 

何度も録り直して完成させたアルバムだからか、本当に身を削り生んだアルバムなので自分にとっても聴きごたえがある大好きなアルバムです。

 

自分も全ての楽器を使って録音して音楽を作ってみたい。

そんな欲求も出た音楽です。

 

 最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 カップリングも凄い音楽です。